ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

『貝獣物語』

ゲームブックがブームとなった1980年代後半は、
ファミコンが一気に普及した時代でもありました。
いや、この書き方はおかしいか。
ファミコンが爆発的に普及した1980年代後半は、
ゲームブックがブームとなり、静かに衰退していった時代でもありました。
うん、これならいいですよね。

こんな1980年代後半には、ファミコンゲームを題材にしたゲームブックもわんさか出版されていました。こうした流れはゲームブックの粗製乱造を産み、ゲームブック衰退の一因と言われることもありますが、ここでは置いておきます。
ただ言えるのは、ファミコンゲームブックが、家庭の経済的あるいは教育方針等で、ファミコンを持っていなかった私のような少年たちには本当にありがたい存在だったということです。

当時は人気ファミコンソフトの多くが、とくに「人気RPG」作品はほとんどがゲームブックになっていました。
ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ウィザードリィ」「イース」「ゼルダの伝説」「桃太郎伝説「MOTHER」ウルティマ」「ファザナドゥ」「ヘラクレスの栄光」「月風魔伝」「ディープダンジョンIII」などなど。
なおファミコンゲームをもとにしたゲームブックの大部分は、双葉文庫の「ファミコン冒険ゲームブック」というレーベルから発売されていました。


枕がだいぶ長くなりましたが、懐かしのゲームブック紹介。
今日は『貝獣物語』。
この作品も双葉文庫から発売されたものです。

小学生当時、「貝獣物語」のかわいらしいキャラクターイラストにひかれていました。
私の中で、「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」並みに遊んでみたいゲームだった記憶があります。

〔あらすじ〕
ぼくは火の貝の勇者。ある日気がつくとマイヨーの城という所にいたんだ。シェルドラドの平和を取り戻す。それがぼくの使命なんだって。敵は大魔王ファットバジャー。一瞬にしてシェルドラドの平和を破った悪の化身だ!そこで、ぼくは水、大気、大地の貝を持つ3匹の勇者、貝獣とパーティを組み、ファットバジャーを退治しに出かけたんだ。だけど、次々に行く手をはばむ怪物たち。ぼくらは数々のアイテムを集め、怪物たちを倒しながら、シェルドラド中を大冒険。


ファミコン冒険ゲームブック」全般に言えることですが、子供向けだけあって、難易度は低目で、分岐も少ないほぼ一本道のルートです。
海外翻訳ゲームブックに慣れ親しんだ層には物足りなかったでしょうが、小学生の私には十分楽しめた作品でした。

発売日を見ると、ファミコンソフトの発売から2カ月しないでゲームブック版が出てたんですね。突貫で制作してたんだろうなぁ。


★参考情報
貝獣物語』(双葉社
著/樋口明雄、大出光貴
初版発行/1988年12月
アマゾンの中古最低価格 360円(2014年6月18日現在)