『ふしぎ探検キミ&ユメ 消えた人形事件』
100円ショップのダイソーで、ゲームブック(名称は「きみが決めるスト一リ一ブック」)が売っていました。制作者は、ゲームブックファンにはおなじみの名コンビ(文・藤浪智之さん、絵・佐々木亮さん)。
【あらすじ】
きみはふつうの小学生。少しちがうのは妖怪やユーレイが見えるところ。町の時計台から人形がいなくなった話を聞いたきみは、町の調査に乗り出した。でも、どうやら消えた人形は、ほかにもいっぱいいるみたいで……?
ストーリーもなぞときも楽しい、小学生がはじめて手にとるにはぴったりの良作です。もちろん大人も楽しめますよ。100円で、パラグラフ100超えのゲームブックを楽しめるなんて。ダイソーさん、ありがとう!
私は入手できなかったのですが、同シリーズに『ドラゴンカリバー とりもどせ!巨人の宝物』という作品もあるそうです。
ゲームブック温故屋
水本シズオ
『鏡のなかへ』
今日のゲームブックは、『鏡のなかへ』(制作・イラスト/おいしいたにし)。マンガ形式のゴシックホラー・ゲームブック(双方向型)です。
主人公は、ある男爵の養女となった少女マリー。物語の舞台は、男爵が暮らす古いお城です。嵐の晩、マリーは男爵家に隠された秘密を探ろうとするのですが、そこに殺人鬼が現れ……。
何度かゲームオーバーになりましたが、なんとかクリア。つねにだれかに狙われているような、緊迫感がたまらない作品でした。全編マンガなので、イラストに隠されたギミックがたくさん楽しめるのもいいですね。ホラーなのでもちろん怖いのですが、作者さんの遊び心もところどころに感じられ、大満足。たまにある登場人物の表情がギャグっぽくなる箇所も、とても好きです。
「最初のプレイで、金貨をゲットできた?」「2つめの情報、苦労しなかった?」「コックの食べる擬音がかわいい」「クモの暗示がいいよねえ」「いちばんびっくりしたBAD END」など、実際にプレイしたほかの方と、たくさん語りたくなる素敵なゲームブックでした。
作者のおいしいたにしさんのホームページに、冒頭の試し読みPDFがありますよ~。本は、BOOTHで通販されています。
最近読んだゲームブックの記事
イアン・リビングストンさん、スティーブ・ジャクソンさん、宮崎英高さんのZoom座談会(進行:安田均さん)。
リビングストン、ジャクソンの両巨匠が、お元気そうでなによりです。個人的には、宮崎さんの下記発言が、私の少年時代と同じでおもしろかったです。この理由でゲームブックファンになった子ども、たくさんいたんでしょうね。
宮崎氏:
私は家庭の方針もあり,子供の頃はビデオゲームは禁止だったのですが,周りの友達は「ドラゴンクエスト」なんかを遊んでいて。自分もそういう遊びをしたいと思い,手に取ったのがゲームブックでした。両親も本を読むのは良いことだと言ってくれたので,ゲームブックは家庭で許された貴重なゲームだったんです。
ゲームブック温故屋
水本シズオ