ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

UNO(となりのトトロ)

昨日の金曜ロードショーで「となりのトトロ」がやってましたね。
トトロのゲームブックは発売されていないので、今日はアナログゲームつながりで、UNO(ウノ)のトトロ版。

f:id:mizumoto-s:20200815221424j:plain
昔はなかったと思うのですが、現在のUNOは、「ドラえもん」「ワンピース」「ドラゴンボール」「ムーミン」など、いろいろなアニメ作品とのコラボバージョンが発売されています。「トトロ」もそのひとつ。

それぞれ特殊なカードが入っているらしく、トトロ版のUNOには、「おさんぽ」という名の特殊カードが4枚入ってます。

f:id:mizumoto-s:20200815221432j:plain

使用すると、みんなが次の人に手持ちのカードをすべて渡さなければなりません。かなり一発逆転的なカードです。戦略がうすれて、あまり多用するとつまらなくなるので、我が家では枚数を減らして遊んでいます。

なお、ジブリ映画では、「天空の城ラピュタ」がゲームブックになっています。

onkoya.hatenablog.jp

 

 

『サキの忘れ物』

「真夜中をさまようゲームブック」が収録されていた、津村記久子さんの短編集です。
ゲームブックについてはすでに述べたので、それ以外の作品の感想も、ちょっと記しておきますね。

 

収録作品は計9つ。
ほとんどの作品において、主人公は鬱々とした感情を抱えながら生きています。絶望的な不幸を背負っているわけではないが、いまひとつ心が晴れ晴れせず、将来も不透明。そんな感じです。しかしながら、ちょっとした出会いによって、主人公は「人生」に対し、前向きな気持ちになっていきます。ひょっとしたらその「前向きな気持ち」は、一時的なものかもしれない。でも、そこにある種の救いがあって、読み終えたあと、すがすがしい気持ちになりました。

 

以下、いくつかの作品の簡単な紹介&感想。
収録順とは異なります。
(ネタバレあり)

続きを読む

「真夜中をさまようゲームブック」(『サキの忘れ物』より)その2

「真夜中をさまようゲームブック」が収録されている『サキの忘れ物』を、読み終えました。ゲームブック以外の短編もどれもすばらしかったので、いずれ感想を書き残しておこうと思います。

 

さて、著者の津村さんがなぜゲームブックを書かれたのかですが、毎日新聞のインタビュー記事で少し語られていました。

子供の頃に好きだったゲームブックがやりたくて、自分で作りました。夜中に何かに追いかけられる小説を書きたかったのですが、普通の小説だと一本道で面白くない。ちょうど「美術手帖」さんから変わった小説を書いてくださいという依頼があり、ゲームブックにすることを思いつきました(初出は「美術手帖」2015年10月号)。
毎日新聞2020年7月3日

続きは元記事を。

「何でも書けるし、何でも書いてみようと」 津村記久子さん新刊「サキの忘れ物」語る - 毎日新聞

 

このインタビュー記事でもあるように、「真夜中をさまようゲームブック」は「美術手帖」2015年10月号が初出。ネットで検索してみたら、「美術手帖」で同作品を読んで、感想を書かれている方もいらっしゃいました。リンクはらせていただきます。

冒険記録日誌

『美術手帖』に突然掲載された「真夜中をさまようゲームブック」 - 紙とエンピツ_ブログ版

 

「真夜中をさまようゲームブック」(『サキの忘れ物』より)

本日のゲームブックは、芥川賞作家・津村記久子さんの「真夜中をさまようゲームブック」。
今年6月に発売された『サキの忘れ物』に収録されている作品です。
(初出は「美術手帖」2015年10月号)

f:id:mizumoto-s:20200724000859j:plain


本書には9つの短編が収められていますが、そのひとつがこのゲームブック作品。著者は1978年の生まれですから、小さい頃、ゲームブックに親しまれていたんだろうなと勝手に想像しています。
それにしても、ふつうに本書を手にとった読者さんは、途中でいきなり「ゲームブック」が出てきて、とまどったでしょうね(笑)

 

ある晩、家の鍵をなくした私は居場所を探して町内をさまようことに。一篇のなかに無数の物語が展開!
(「帯の紹介文」より)

 

【読み方】
これはゲームブック形式になっているお話です。そのまま手ぶらで遊んでもいいですが、できれば紙とえんぴつを用意し、パラグラフ番号をメモしながら読んだほうが、失敗があった時に元に戻りやすいですし、行動の途中で拾得した物も確実に記憶しておけますので、おすすめいたします。※行動の選択によっては、主人公はかなり簡単に死んだり、警察に捕まったりします。
(作品の冒頭より)

 

主人公は、ゲームブックでおなじみの「君」。性別や年齢もあえてあいまいにされています。パラグラフ数は62と多くはありませんが、ひとつひとつのパラグラフの文章が、(一般的なゲームブックにしては)長めなので、全体として短いという印象は受けませんでした。


ネタバレにならないように、ちょっと内容にも触れておきます。
お酒をのんで帰ってきたら鍵がなくて、家に入れない。さて、どうしようというところからスタート。
ファミレスで時間をつぶしたり、ぶらぶらと町を歩いたりするなかで、怪しげな人たちと出くわし、物語が進んでいきます。後半はけっこう意外な展開になり、最後までぐいぐい引き込まれました。
少しせつなさを感じさせる文学作品ですが、ウイットに富んだ言い回しや、ファンタジー&サスペンス要素も楽しく、良質なエンターテインメント作品でもあります。

おすすめです。


★参考情報
『サキの忘れ物』(新潮社)
著/津村 記久子
発売日/2020年6月29日
価格/1,400円(税別)
パラグラフ数/62

将棋の話

藤井聡太さん、すごいですね。
ということで今日は、アナログゲームくくり(?)で「将棋」の話。
先日、将棋の中継を見ていたら、コンピューターが予測する「次の一手」が表示されていました。
将棋は好き、でも実力はまったくない私からするとありがたいシステムですが、「興がそがれる」と感じる方もいるんですかね。どうなんでしょう。

で、思い出したのが「電王戦」における、「将棋ソフト開発者」への風当たりのこと。
ご存じない方に説明すると、「電王戦」とは「プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトウェアとの非公式棋戦」で、2013年から4回くらい開催されたはずです。
過去に私もブログでちょっと触れていました。

onkoya.hatenablog.jp

現在の名人・豊島さんや、藤井棋聖の前の最年少タイトル獲得者・屋敷さんなど、そうそうたる棋士が出場していますね。

 

閑話休題
電王戦がやっていたころ、ファンの間では棋士側を応援する声が圧倒的でした。それは当然だと思うのでいいんです。
ただ、「棋士」に比べて、「ソフト開発者」へのリスペクトの足りなさが不満でした。なので私も最初は棋士側を応援していましたが、電王戦の終わりのほうは、ソフトの応援に気持ちが傾いていた気がします。
最高レベルの将棋ソフトを開発するくらいですから、開発者の皆さんは個性の強い方が多いんですよね。それが非難する側からすると、「棋士への敬意が足りない」と気にくわなかったのかな。でも、「ソフト開発者」たちがその後の将棋界に与えた影響は大きく、もっとリスペクトされても良かったのになあと。現に私も将棋中継を、将棋ソフトのおかげでより楽しく見れていますし。

 

なんてことを将棋の中継を見ながら、ぼんやりと考えていました。
要するに、「棋士」も「ソフト開発者」も、すごいですねって話です。