ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

『悪魔に魅せられし者』その1

ゲームブックの思い出コーナー。
今日は「ドルアーガの塔 三部作」の第一作目、『悪魔に魅せられし者』。


あなたは長い冒険の末、ドルアーガの塔にたどりつきました。あなたの名はギルガメス。王国の人々に戦士ギルとして慕われ敬われている英雄、それがあなたなのです。あなたはこれからこの塔の中に入り、さらに過酷な冒険を続けることになります。この塔には悪魔ドルアーガが住みついており、天上界から王国に愛と平和をもたらしていた秘宝ブルークリスタルロッドを塔のどこかに隠してしまったからです。

舞台となる、六〇階に及ぶ塔は一フロアそれぞれが侵入者を阻む迷宮。第一部である本書には一階から二〇階までの冒険が記されている。アドベンチャーゲームノベル。

作品の舞台は、悪魔ドルアーガがすみつく不思議な塔。
この塔をプレイヤーは冒険するわけですが、特徴的なのは、
一度歩いた道を何度も行ったり来たりできること。
いわゆる「双方向型」と呼ばれる形式をとっています。

また、下記のような現在位置をくわしく示しているのも特徴的です。

東西に続く通路の途中にいる。西を見ると、この階の入口である石造りの大扉が見える。東を見ると三ブロックほど先に、太い木で組み込まれた頑丈そうな扉がある。あなたの目の前、北側の壁にはドアが二つ並んでいる。どちらもカギはかかっていない。

こうした描写を頼りにして、その階の正確な地図を作成するのも、
プレイヤーの楽しみのひとつとなっていました。


また、豊富なイベント、個性的なキャラクターたちの存在も、
本作の魅力となっていました。
舞台が塔という閉鎖的な空間にもかかわらず、迷宮をただ歩きまわるだけでない、
読者を飽きさせないアイディアがたくさんつまっているゲームブックなのです。 
 
つづく