ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

『ベルゼブルの竜』

ゲームブックの思い出コーナー。
今日は第一回創元ゲームブックコンテスト入選作『ベルゼブルの竜』です。

レムリア大陸最小の町ルクレオは、土地の急速な砂漠化のため危機に瀕していた。この危機から町を救うには、魔王の城に住む「ベルゼブルの竜」が持つ魔剣、アシュナードの力を借りるしかなかった。この剣が秘める再生の魔力だけが、土地の荒廃を押しとどめ、緑の大地をよみがえらせることができるのだ。第1回創元ゲームブック・コンステト入選作。
(本書あらすじ)

何度かこのブログでも書いていますが、子どもの頃、私は海外のゲームブックよりも、国産のゲームブックを好んで遊んでいました。その原因を考えてみましたが、ひとつに「キャラクターの描き方」の違いが大きかったのだと思います。
海外産ゲームブックのキャラクターは、つかみどころがなく不気味で、何を考えているのかわからないキャラクターが多い気がします。反面、国産ゲームブックのキャラクターは、どことなく人間味があり(そのキャラが人間でなくても)、会話をできるケースも多く、感情移入しやすかったのかなと。

ベルゼブルの竜』にも、魔王ルシファー、ルシファーの6人の子ども、ルシファーの親友アスタロット大侯爵、ケルインの族長シド・ハーン・ルジ伯爵など魅力的なキャラクターが多数登場します。いま読み返すと、ゲームブックとしては単調でやや冗長な感じも否めないのですが、それを補ってあまりあるキャラクターの魅力が、子供時代の私の心をつかんだのだと思います。
思い出深いゲームブックの一冊です。

★参考情報
ベルゼブルの竜』(東京創元社
著/茂木裕子
初版発行/1988年8月
アマゾンの中古最低価格 135円(2012年7月25日現在)