ＦＴ書房さんの

　ＦＴ書房さんが発行されているゲームブック『殉教者の試練』（杉本＝ヨハネ著／2009年12月29日発行）をプレイしてみました。ＦＴ書房さんは、「ゲームブックの復興と新しいゲームの製作」を活動内容とされているグループで、これまで何冊かのオリジナルゲームブックを発行されています。

　今回私がプレイした『殉教者の試練』は、「白の魔法使いシリーズ」の完結編にあたる作品。最初にあらすじがわかりやすく書かれていたので、他作品をプレイしていなくても、すんなりと作品に入り込むことができました。本作は、呪いによって死が目の前にせまっている冒険者が主人公。残された時間を「魂吸い」という悪魔討伐にささげる決意をし、冒険の旅に出ます。

　主人公には案内人として1人の仲間がつきますが、それとは別に、「ドール」という主人公に忠実な人形も一体仲間として加わります（ドールは、砂漠に詳しい「デザート・ドール」や呪文を得意とする「ウィザード・ドール」など数体のなかから選べます）。本書には冒険譚に欠かせない「ドキドキ」がたくさんつまっているのですが、主人公とこのドールとの心の交流もしっかり描かれており、作品がより重厚なものに仕上げられていました。ネタばれの恐れがあるので内容にはあまり踏み込めないのですが、ラストにおける主人公とドールのやり取りは感動的で、不覚にも涙がこぼれそうに……。

　なお、ＦＴ書房さんは冬のコミックマーケットに参加されるそうです。新作ゲームブックも発売されるようですよ。詳細は下記サイトでご確認ください。
新☆ＦＴ書房　製作日記
　ＦＴ書房さんは通販もやっていますよ。