ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

『銀行員ゲームブック バンカーズクエスト』(プレイ前)

新紀元社の新作ゲームブック『銀行員ゲームブック バンカーズクエスト』を購入しました。
基本的にステータス管理が必要のない、筆記具のいらないスタイル。ただ、たまに登場する「キーワード」は記憶する必要があるようです。
プレイを終えたら、そのうち感想を書きます。
今日は「あらすじ」と簡単な情報だけ載せておきますね。

〔あらすじ〕
キミは有能な銀行マン。順風満帆の出世コースだったはずが、上司の策略で絶体絶命の窮地に陥ってしまう。
うまく立ち回り、巨額の損失を回避することができるか? はたまた、謎の美少女と倒錯の愛を育むか?
読者である、あなた自身の判断で物語は千変万化。一冊でいく通りものストーリーを楽しむことができるゲームブックに、凄腕バンカーのビジネスバトルの世界を描いた異色作品が登場!

★参考情報
『銀行員ゲームブック バンカーズクエスト』(新紀元社
著/高平鳴海
画/ビッグ錠
発売日/2015年11月11日
価格/1,600+税
ページ数/328
パラグラフ数/166
挿絵/9点
奥付を見ると、以前、創土社ゲームブック復刊にご尽力されていた編集の方のお名前がありました。

銀行員ゲームブック

今月、新紀元社から新作ゲームブックが出るようです。

11月12日発売予定
『銀行員ゲームブック バンカーズクエスト』
著・高平鳴海

詳細はまだわかりませんが、半沢直樹的な感じなんですかね。
イラストはビッグ錠さん。グルメ漫画の大御所が、なぜ。
楽しみです。

『さんまの名探偵』

懐かしのゲームブック、本日は「ファミコン冒険ゲームブックシリーズ」より『さんまの名探偵』。
同名ファミコンソフトをゲームブック化した作品です。


〔あらすじ〕
吉本興業の社長、吉本高行の邸宅新築披露パーティーが開かれたその晩。出席者の人気落語家、桂文珍が金庫室の中で殺された! 目撃者はいない。誰がいったい何の目的で彼を殺したのか? この中に犯人がいるはずなのだが…。
今は芸能界を離れ、探偵事務所を営むかつてのお笑いタレント、明石家さんまが事件解決に乗り出した。ちょっと頼りない彼を補佐するのは助手のまんちゃんこと今井次郎。さんまとまんちゃん、この二人の行く手には数々の謎やアクシデントが待ち受けていた。

物語は、探偵・明石家さんまの助手となり、桂文珍を殺した犯人を探し出すというもの。吉本興業の芸人さんたちが多数登場するドタバタ推理喜劇です。
容疑者として名前のあがっている芸人は、西川のりお島田紳助オール阪神・巨人今いくよ・くるよ太平サブロー・シローの8名。そのほかにも、横山やすし西川きよし、おさむ(ザ・ぼんち)、ダウンタウン桂三枝(現・文枝)らが登場。吉本以外の芸能関係者では、タモリ(タコリ)、北野たけし(北脳たけし)、藤本義一(秋田義一)、薬師丸ひろ子(薬師角ひろ子)らが名前を変えて出てきます。
残念なのは、さんま以外の芸人さんたちの個性が、いまいち発揮されていないこと。限られたページ数の中で作らねばならないことを考えると、それもまあ仕方ないんですかね。
さんまは随所に、パーデンネンや鹿のフン踊りなど、往年のギャグを披露してくれます。ミスター・オクレに金をねだられるシーンもおもしろかった。

攻略のポイントは、捜査費用30万円の使い方。ほとんどの登場人物ががめついので、情報を得ようとしたらどんどん金が減っていきます。

★参考情報
さんまの名探偵桂文珍殺人事件』(双葉社
著/三原 治
初版発行/1987年7月
アマゾンの中古最低価格 1,000(2015年10月19日現在)

青鬼と巨人

人気フリーゲーム『青鬼』のゲームブックが、10月10日に角川書店から発売になったもようです。
著者は、大ヒットゲームブック人狼村からの脱出』の制作にもかかわっていた、「SCRAP」の鹿野康二さん。
『青鬼からの脱出』公式特設サイト

それと今年の12月には、講談社から『進撃の巨人』のゲームブックが発売になるようですね。
著者は、藤浪智之さん。

『エヌ氏の休日 ミニゲームブック集1』

本日のゲームブックは、『エヌ氏の休日 ミニゲームブック集1』。
FT書房さんがkindleで発表されている短編ゲームブック集です。
たまには軽い感じの作品を気軽に楽しみたいという方におススメ。
計6作品、書き手さんは4人。それぞれに個性があって楽しめます。
以下、各作品を簡単に紹介&感想。

・「エヌ氏の休日」(著・杉本=ヨハネ
18パラグラフ。
星新一のショート・ショートを思わせる分岐小説。
どの選択肢も「この先を読みたい」と思わせる魅力に満ちています。
あなたもエヌ氏になって、歓喜と悲哀の入り混じる人生を体験してみてください。

・「ワナの真ん中で愛を叫ぶ」(著・神崎マコト)
33パラグラフ。
「生命ある者に出会った途端、無条件でその相手にほれてしまう」という毒をうたれてしまった主人公。目覚めた地下牢には怪物がうようよいて……。そんな絶体絶命のシチュエーションからスタート。うまい導入ですよね。
「褐色のグラマラス美女」「艶めくもち肌のご令嬢」などと掲示された扉が並んでいるのですが、説明するまでもなく、中にいるのはモンスター。ほれてしまったらジ・エンド。

・「ネグラレーナの平日」(著・杉本=ヨハネ
16パラグラフ。
「しまった、これはBAD ENDの流れだ」と思ったら「GOOD END」だった。それも2回続けて。
そうだった。ここは、毎日あらゆる悪徳が繰り返される港湾都市ネグラレーナ。凝り固まった常識や安っぽい倫理観は通用しないのだ。

・「最悪英雄ワルカード!」(著・清水龍之介)
24パラグラフ。
ゲームブックの戦闘というと、通常は剣や魔法で戦うといった感じですが、本書の戦闘方法は「舌戦」。つまり相手を論破すると勝利となります。
なるほど、こういうアイディアもあるのかと感心しました。

・「帰っちまったヨッパライ」(著・清水龍之介)
28パラグラフ。
私の中ではこの作品、「おしっこを我慢する物語」です。

・「天使のいたずら」(著・ロア・スペイダー)
19パラグラフ。
主人公はプレイボーイの貴族。差出人不明の恋文を受け取り、待ち合わせ場所に向かいます。しかし、そこには手紙の差出人と思われる女性が数名いて……。
ここまで感情移入できない主人公はめずらしいです(笑)「GAME OVER」になっても全然くやしくない。むしろ「GAME OVER」を楽しむ作品。


★参考情報
『エヌ氏の休日 ミニゲームブック集1』(FT書房)
著/杉本=ヨハネほか
初版発行/2014年11月
価格/305円(2015年9月26日現在)

『烈拳カンフー大冒険』

懐かしのゲームブック、今日は『烈拳カンフー大冒険』。
個性的な作品が多数輩出した、ゲームブック界の異端児「エキサイティング・ゲームブック・シリーズ」の15作目。
この作品は子供時代、未プレイ。それどころか、その存在を知ったのも最近。図書館で取り寄せることができたので遊んでみました。


〔あらすじ〕
君はきびしい中国拳法の修業に長い間、耐えてきたカンフー(功夫)の達人だ。鷹拳、蛇拳といった他流派の技やヌンチャク、棍などの古武術も身につけてきた。もう、寺で学ぶものは何もない。そう考えていたおり、人々から恐れられている、無法者の首領の噂を耳にした。この拳王なる人物、いまだかつてどんな武芸者にも負けたことがないという。君は体中の血が騒ぐのを感じた。一度でいいから対決してみたい。思いは日増しにつのり、ついに寺を出る決意をした。しかし拳王と対決するのは容易なことではない。拳王の本拠地・嵩山は、天然の要塞ともいえる地理条件を備えているうえ、軍隊を脱走した武装兵士や山賊一味が、門の警備にあたっている。さらに城内には、四天王と呼ばれる強者も拳王の身辺を警護しているという。果たして君は、拳王を打ち倒せるだろうか!

主人公(プレイヤー)は中国拳法の達人。無法者たちの首領・拳王を倒すべく、敵の本拠地である嵩山に乗り込むというストーリー。
ゲームブックというと「剣と魔法」「西洋風」が主流ですが、本作は中華の雰囲気が漂う異色作。目新しさもあって楽しめました(ルールが複雑だけども)。文体も読みやすく、ジャッキー・チェンのコミカルなカンフー映画を見ているような、娯楽性に富んだ作品です。

登場する敵キャラ(一部味方も)も個性的。
酔拳をきわめた老人、太極拳の天才少年、サイ(刀の一種)を装備した老婆、集団で襲いかかってくる空手十兄弟、二丁鎌を振り回す暴れん坊、青龍刀の女剣士(四天王)、三節棍をあやつる坊主(四天王)、西洋の妙技「ボクシング」の使い手(四天王)、妖術使いの老人(四天王?)などなど。琵琶をかなでる美しい拳王もキャラが立っています。

機会があれば遊んでほしいゲームブックですが、いかんせん入手は困難。本作だけでなく「エキサイティング・ゲームブック」全般に言えることですが、このシリーズの作品は中古市場で高騰しちゃってるんですよねえ……。
さて、それにしてもこんな30年も前のマイナーなゲームブック、レビュー書いてる人などいないだろうと思っていたら、古参ゲームブックサイト「冒険記録日誌」さんが、レビューどころかプレイ記録を載せてらっしゃったので楽しく拝読。こちらを読んでいただければ、だいたいの作品のイメージはつかめると思います。
冒険記録日誌/烈拳カンフー大冒険(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原書店)その1


★参考情報
『烈拳カンフー大冒険』(桐原書店
著/スーパー頭脳集団アイデアファクトリー
初版発行/1986年3月
アマゾンの中古最低価格 取り扱いなし(2015年9月19日現在)

『吸血鬼の洞窟』

懐かしのゲームブック、本日は『吸血鬼の洞窟』。
本作は「Golden Dragon」シリーズの1巻目にあたります。「Golden Dragon」シリーズは、デイヴ・モーリスとオリバー・ジョンソンが執筆したゲームブック・シリーズ(全6巻)。wikipediaによると、日本では英国と同じ順番ではなく、難易度の低い順から刊行されていったそうです。
子供時代にこのシリーズの作品を何冊か遊んだことはありますが、本作は未プレイ。最近初めて読みました。
なおモーリスとジョンソンは、「ブラッド・ソード」シリーズの著者でもあります。


〔本あらすじ〕
ウィストレンの森の奥深く、ひっそりとしたたたずまいの屋敷の地下には吸血鬼テネブロン卿が住んでいるという。テネブロン卿はたいへんな値打ちのある財宝を隠し持っているといううわさだが、その財宝は卿自身と、手下の魔物たちや、卿の手にかかってどれいにされた仲間の冒険者たちの手で、厳重に守られているという。あなたは吸血鬼を倒せるか。

以下、ネタバレもあり。
シリーズ1作目とあって確かに難易度は低め。F・Fの世界を戦い抜いてきた勇者の方々なら、余裕でクリアできてしまうでしょう。
私も何度かプレイしましたが、体力ポイントがゼロになることはほとんどありませんでした。その代わり、一発死が多い印象。最初のプレイでは、宝箱開封に失敗して自分の首を剣で切ってしまいゲームオーバー。2回目は、ガイコツたちの演奏に聴きほれて動けなくなりゲームオーバー。そんな感じです。

私が好きな敵キャラ(?)は、不思議なチェスで勝負を挑んでくる老人。いかめしい顔つきをしているのですが、自分が勝負に勝つと嬉しそうにする姿がかわいらしです。負けても、素直にご褒美くれるし。

やや面食らったのは、ラスボスである吸血鬼テネブロン卿との戦い。
正攻法で戦ってももちろんいいのですが、最適解は「逃げる」という選択肢。なんか知らんうちに勝手に死んでくれます。
ラスボス相手に「逃げる」が有効というゲーム、古今東西あっただろうか。斬新だなっ。


★参考情報
『吸血鬼の洞窟』(東京創元社
著/デイヴ・モーリス
初版発行/1986年3月
アマゾンの中古最低価格 270円(2015年9月4日現在)