ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

『落下する幻想風景』

今日のゲームブックは、『ゲームブック 落下する幻想風景』(著・秋山真琴)。
2014年12月に出た電子書籍で、幻想的な雰囲気がただよう短編ゲームブックです。

f:id:mizumoto-s:20200502223211p:plain

【内容紹介】
墜落という無慈悲なる死! しかし〈君〉の選択によっては物語の結末は安らかになるだろう。
『世界再生の書物と一つの楽園』や『反理想郷にさよならを』の秋山真琴が挑む新境地は、読み手の選択によって結末が変わるゲームブック電子書籍化を前提にシンプルにまとめた約60パラグラフのSFファンタジー
amazonでの紹介文を転載)

時空(?)を落下していく主人公の視点を通して物語は進んでいきます。
特徴的なのは、パラグラフ「1」から始まる通常のゲームブックとは異なり、「99」からスタートすること。パラグラフの番号は読み進むにつれ減っていき、「1」、そして「0」のエンディングへと収束していきます。
短編ゲームブックの制作には、限られた文章量の中に、いかにして情報やゲーム要素を盛り込めるかという難しさがありますが、それを逆手に取った本作品のギミックは、内容ともマッチしていて見事でした。

これまで、商業同人問わずいろいろなゲームブックに接してきましたが、「感心」することは多々あれど、「悔しさ」を感じることはありませんでした。
でも数年前にこの作品を初めて読んだときは、「うわ、やられた」という感情が、正直ちょっとありましたね。
ゲームブックというよりも、実験的な小説という側面が強いかもしれませんが、個人的にとても好きな作品です。


★参考情報
ゲームブック 落下する幻想風景 Kindle版』(雲上回廊)
著/秋山 真琴
発売日/2014年12月17日
価格/99円
推定ページ数/20
パラグラフ数/約60