ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

『大真珠の探索』

本日のゲームブックは、『大真珠の探索』。
2012年発行の同人ゲームブックです。
ページ数452、項目数600の大作。
作者は「お〜もり」さん。


〔あらすじ〕
交易都市ルフトポートは近頃、町の南にある島に流れ着いたたくさんの宝箱の話題で持ちきりだ。この地方の古いおとぎ話で語られる、目も眩むほどの大きな真珠が眠っている魔法の国「プラトイム」からの漂着物だという。
そんな賑わう港町を訪れたあなたは、ある漁師にプラトイム探索への同行を持ちかけられる。彼が先祖から受け継ぐ不思議な水晶盤が、この宝箱騒ぎから淡く光を放っていた。
さあ伝説の大真珠を探し出そう。まさかこのチャンスを見逃すまい!?

主人公は、数々の修羅場をくぐってきた歴戦の冒険者。仲間の船乗りたちとともに、いくつかの小島をめぐりながら手がかりを集め、魔の外洋のどこかにあるという幻の国「プラトイム」を目指します。
とはいえ、冒険には危険がつきもの。怪物、魔物、海賊、軍隊らが主人公たちの行く手を阻みます。また、船旅ですから、つねに自然の脅威にもさらされています。プラトイムまでの道のりは険しく、初めての冒険で目的地までたどり着くのはほぼ不可能でしょう。しかし何度かプレイすれば、必ずプラトイムへの道は開けるはずです。

本書の最大の特徴は、プラトイムまでの羅針盤的役割を担う「水晶盤」の存在でしょう。私は最初に何度かプレイした際、この水晶盤の使い方がよくわからなかったのですが、理解してしまうと、実際に冒険しているような感覚に襲われ興奮しました。
イベントも豊富で楽しく、ルートも多岐にわたっています。ストーリーもしっかりしていて、冒険小説としての読み応えもあり。あとはやっぱり、ゲームブックゲームブックファンに対する「愛」が感じられるのがいいですわね。
プロアマ問わず、ゲームブック制作者は今もわずかながら存在していますが、私が少年時代に楽しんだ東京創元社の「スーパーアドベンチャーゲーム」の遺伝子を現在までもっとも色濃く引き継いでいる制作者は、お〜もりさんのような気がします。もちろんその上に、独自のアイディアやポリシーを盛り込んでいるのは言うまでもなく。


★参考情報
『大真珠の探索』
著/お〜もり
※詳細は、お〜もりさんのホームページをご確認ください。
お〜もりさんのホームページ