ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

『バルサスの要塞』その1

懐かしのゲームブックのコーナ―。
今日は『バルサスの要塞』。


「毛むくじゃらのお前は誰?」で有名な表紙。

〔あらすじ〕
要塞のふところ深く、恐怖の妖術使いバルサス・ダイアは〈柳谷〉の善良な民を滅ぼすための計略を練っている。戦略は整い、おそるべき兵は武装を終え、いまにも攻撃にくり出そうとしている。
必死の頼みにほだされた君だけが、谷の人びとの唯一の希望だ。〈太古の大魔王使い〉の一番弟子で魔術の名人である君だけが、この任務を引き受け、バルサス・ダイアの悪夢の世界の心臓に、くさびを打ちこむことができるのだ。どんなすさまじい妖怪が君を待ち受けていることだろう?

本書は大ヒットとなった『火吹山の魔法使い』に続く、ファイティング・ファンタジー(以下FF)シリーズの2作目にあたります。
シリーズ物は、1作目がうまくいっても2作目でコケるというパターンもよくありますが、『バルサスの要塞』は完成度も高く、その後のFFシリーズの成功を決定づけた作品と言ってもいいのではないでしょうか。
最近久しぶりに遊んでみたのですが、やっぱりおもしろい。

火吹山の魔法使い』にはない本書の特徴は、「魔法」が導入されている点。
主人公である魔法使いは、敵の複製を作り出す「妖怪うつし」、相手の考えていることを知る「千里眼」、好きなときに火を作り出す「火炎」、空中に浮かび上がる「浮遊」などの魔法を駆使し、化け物や妖怪が多数集まった要塞を突き進み、ボスのバルサスがいる部屋を目指します。

円盤型の奇妙な妖怪・円盤人、拷問好きの爬虫類的怪物・カラコルム、話し好きの小人・付人、ワインの管理人・黒エルフなど、個性豊かな要塞の住人も本書の魅力です。
霊界の住人・ガンジー、イタズラ好きのレプレコーン、バルサスの嫁・魔女あたりは、ボスのバルサスより強いんじゃなかろうか。
なお表紙の黒い毛むくじゃらの化け物は、物語に出てきません。
お前誰だ!


次回に続きます。