ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

『ドラゴンの目』

ゲームブックの思い出コーナー。
今日は『ドラゴンの目』です。


1千年の昔、タリオスという強大な都が栄えていたが、何週間も続いた地震と大津波のために、その繁栄にもついに破局が訪れた。そして、地上最強の魔力を持つといわれる至宝〈ドラゴンの目〉もタリオスの廃墟に埋もれてしまったのだ。あなたは、優れた知恵と剣の腕前、そして12種類の魔法を用いて、〈ドラゴンの目〉を手に入れなければならない!
(本書裏表紙あらすじより)

魅力的なゲームブックには、個性的なキャラクターが必ず登場します。とくに小学生の私に多大なインパクトを与えたのが、この『ドラゴンの目』に登場する「マンティス卿」でした。

濃い茶色の厚手ローブにおおわれたからだはすらりと細く、どことなく人間離れしている。顔は黒い大きなマスクで隠されており、マスクには昆虫の目を思わせる巨大なレンズがついていた。男が話しはじめるのと同時に、あなたは自分のあやまちに気がついた。マスクだと思っていたのが本当の顔だったのだ! あなたが救いだしたのは巨大なカマキリだった!
「おまえはわだじをどでも不快な場所から解放じてくれだ。感謝ずるぞ。わだじはマンティス卿だ。ざあ、づいでくるがよい。宝物蔵で、謝礼を考えるこどにじよう」

水晶の牢獄から、マンティス卿を助け出した主人公。マンティス卿は御礼に、宝物を上げようと申し出てきます。ここで遠慮してその申し出を断ると、マンティス卿は「礼儀がない」と激怒して戦闘開始。これがものすごく強い。
じゃあ、有り難く宝物をもらえばいいのかというとそうでもない。マンティス卿が大事にしている宝物(選択肢3つ中2つ!)を選んでしまうと彼のご機嫌をそこねることとなり、宝物蔵に閉じ込められてゲームオーバーとなってしまいます。なにそれ。


不気味な挿絵、変なしゃべり方、気難しい性格、そして理不尽な強さ。
なるほどキャラが立っています。


★参考情報
『ドラゴンの目』(東京創元社
著/デイヴ・モーリス
翻訳/大森望
初版発行/1986年9月
アマゾンの中古最低価格 888円(2012年7月11日現在)