ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

ゲームブックの思い出『展覧会の絵』(後編)

 私のゲームブックに対する興味は中学入学後だんだん薄れていき、その後実家の引っ越しなどもあって、ゲームブックはすべて処分してしまいました。しかし数年前にふと『展覧会の絵』をもう一度読みたくなり、アマゾンを経由して絶版となっていた東京創元社の『展覧会の絵』を購入。それによって、私のなかのゲームブック熱が再燃する結果となったのです。

 ちなみに私は子供時代の郷愁もあって中古で手に入れたのですが、この『展覧会の絵』は2002年に創土社から判型やイラストを変更して復刊されています。現在はこちらのほうが、入手は簡単ですよ。

展覧会の絵』の初版発行は1987年10月ですので、今から約25年前の作品ということになります。ゲームブックブームに陰りが見え始めていた時期です。結局、著者の森山安雄さんが執筆されたゲームブックはこの1冊だけでした。『展覧会の絵』はゲームとしてだけでなく小説としても優れていたのですが、森山さんがその後小説を出版されることもありませんでした、、、、、と思っていたら。
 平田真夫の名で今年3月に、SF小説『水の中、光の底』(東京創元社/刊行)を上梓。私も最近読みましたが、幻想的な雰囲気のただよう素敵な小説でした。
「少しずつ重なり合った十の物語世界を、一人の酒場の主人がつなぐ。ノスタルジックな、日常のSF幻想」(本書あらすじより)

 「10」枚の絵をテーマにした『展覧会の絵』、「10」の短編からなる『水の中、光の底』、どちらも名作です。