ゲームブック 温故屋

水本シズオと申します。「ゲームブック」の話題が中心のブログです。

ゲームブックの思い出『展覧会の絵』(前編)

 小学校高学年の頃、ゲームブックにどっぷりとはまっていました。当時お小遣いをもらっていた記憶はないのですが、漫画以外の本は自由に買ってもらえていたような気がします。そんなわけで部屋にはたくさんのゲームブックがありました。

 その時代に読んでとくに衝撃を受けた1冊をあげるとすれば、『展覧会の絵』(著・森山安雄)になるでしょうか。それまで私が遊んできたゲームブックは、「剣や魔法を駆使して敵をやっつけ、ボスが待ち受ける場所を目指す」というのが一種のお決まりのパターンでした。しかしこの本はまったく違ったのです。ストーリーは、主人公の吟遊詩人が10枚の絵の中に入り冒険するというもの。琴を手に旅する主人公のキャラクターは斬新で、また感動的なストーリーにも私は魅了されたのでした。

展覧会の絵」といえば、クラシック音楽を思い浮かべる方も多いと思いますが、この本はまさにそのムソルグスキーが作曲した同名の曲を題材にしています。この本がきっかけで曲のほうの「展覧会の絵」も好きになり、レコードで何度となく聴くようになりました。
 そっか、この時代はまだレコードだったのか……。

つづく